みなさん、お食事は好きですか?魚、肉、野菜、お菓子、どれを食べるにも歯はとても大事なものです。最近では8020運動など歯を大切にするための運動もあります。長寿になってきた日本では、一人一人が元気でいることはとても大切なことと思います。元気でいるには食事から、食事をしっかりとるには歯は重要な器官になります。
まず、歯の構造を簡単に説明します。
むし歯
歯の構造が何となくわかったところで、歯がかかってしまう病気で一番一般的なむし歯について説明したいと思います。
むし歯とは、簡単に言うと歯が溶けてしまう病気です。それは原因となるミュータンス菌が出した酸によって起こります。お食事後の歯磨きがしっかりとできていないと歯にプラークと呼ばれる歯垢がたまり、ミュータンス菌はそのプラークを栄養にして酸を排出します。
むし歯の原因
むし歯は、食事をした時に残った糖分をもとに口腔内の細菌が酸を作り出し、この酸が歯を溶かします。人の唾液には、酸を中性にしたり、溶かされた歯を修復したりする働きがありますが、一度むし歯になってしまうと修復が間に合わず、進行してしまいます。
むし歯は、以下の3つの要素が原因であると言われています。
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1.歯質
歯質は一人ひとり異なります。歯質を強化するためには、歯の再石灰化を促進するフッ化物を利用したり、唾液の分泌を促進するためによく噛むことが大切です。
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2.細菌
むし歯菌が出す酸で歯が溶かされるのがむし歯です。歯磨きでむし歯菌の栄養源を減らすことが大切です。
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3.糖分
糖分の多い間食が増えると、口の中が酸性になり、むし歯になりやすい状態になります。間食を控えたり、糖分の少ないおやつを選んだり、バランスのとれた食生活を送ることが大切です。
むし歯の進み方
むし歯は、歯髄に達しているかどうかで治療の仕方・回数が大きく異なります。下記に記す通りですが、大きくなる前に発見・早期管理が歯の寿命を延ばすためには大切になります。
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C1初期のむし歯
歯の表面のエナメル質が、わずかに溶けている状態。まだ痛みもなく、定期検診で見つけることができた場合、早期に対応できます。適切な歯磨きやフッ素塗布などで歯の再石灰化を促せば、治癒できるケースもあります。
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C2歯の内部まで進行したむし歯
エナメル質の内側にある象牙質にまで溶解が進んだ状態。「冷たいものがしみる」といった症状で気づくことがあります。むし歯に冒された部分の歯を削り、削った大きさに合わせて詰め物や被せ物で治します。
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C3神経まで進行したむし歯
むし歯が、歯の内側の神経まで達した状態。「冷たいものがしみる」「噛んだとき痛む」といった症状が加わり、後に激しい痛みに変わります。神経を取り除く治療を行い、被せ物で治します。
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C4歯冠が大きく失われた歯
歯冠部分がほとんど溶けてなくなり、むし歯が歯根まで到達した状態。神経が死んで一旦痛みがなくなりますが、歯根の先に膿が溜まることで、再び激しい痛みが生じます。抜歯を行い、抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯で噛む機能を回復させます。
治療の方法
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1.プラスチックでの修復
上記で述べた虫歯のうちC2までで範囲の狭いものは白いプラスチックの素材で修復可能です。ただし材料としては柔らかいものになるので強度が必要な場合は使用できません。
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2.金属の詰め物
プラスチックでの修復では強度が足りない範囲の広い虫歯の治療は金属の詰め物となります。
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3.セラミックの詰め物
虫歯の範囲が広く、プラスチックでの修復が困難な場所に対して白い詰め物をご希望の場合はセラミックという選択肢があります。ただし保険適用外となります。
※C3以上の虫歯に関しては違う処置が必要になります。詳細は根の治療へ。